ふるさと納税をすると保育園の選考で点数が下がり不利になる、というのは本当なのか。

『ふるさと納税をしていると保育園の選考において点数が下がり不利になる』

先週信じられない情報が流れてきました。

『拡散希望！！』

この前区役所に行って保育園の相談をしてきたんだけど

”ふるさと納税してたら点数下がります”

と言われたんだ！
これ多分ほとんど知られてない
うちの区だけかもしれないけど
納税する前に確認して見てほしい

日本死ね！になる前に

— SUGI🌸 (@SUGItunagu) January 30, 2019

本当なのでしょうか？！

 

ツイート主が所在地東京となっていたので、東京23区にかたっぱしからから電話してみました。

 

 

 

 

ふるさと納税ってそもそも何？保育園と何が関係しているの？

簡単に言えば本来住んでいるところに収めるべき税金を、好きな自治体に寄付できる制度です。

寄付された自治体からお礼の品が届くことが多く、そのお礼狙いでここ5年ほどで急速にやる方が増えました。

 

 

 

しかし困るのは、ふるさと納税されることで本来納税されるはずのお金が入ってこない自治体です。

ふるさと納税した分は、2000円を引いて翌年の住民税と所得税が控除されます。

つまり、収められるはずの税金がその自治体に入ってこなくなるのです。

 

 

 

以前三鷹市では広報にこんなことが載っていました。

【写真：三鷹市広報より】

ふるさと納税の減収の影響を大きく受けるのはやはり、人口の多い東京です。

三鷹市で言えば保育園7園分の年間運営費が減収になってしまっているようです。

 

 

 

さらに保育園の費用というのは年々上がっています。

【図：三鷹市の保育園料値上げ通知資料より】

 

 

そして保育園料の負担額、どのくらいの割合か知っていましたか？

【図：三鷹市の保育園料値上げ通知資料より】

かなりの割合を住んでいる市区町村が負担してくれています。

最初に述べた、ふるさと納税する人は保育園の選考に不利になるという話が出てくる気持ちも、わからなくはないですね。

 

 

 

 

ふるさと納税は保育園選考に不利？東京23区全てに聞いてみた！

しかし、もしふるさと納税していて保育園の選考基準に影響してくるなら、大変なことですよね。

ただでさえ待機児童になる確率が高い東京で、自分がふるさと納税することにより、さらに待機児童になる可能性が高くなるなら、しない方がマシです。

 

 

というわけで、23区全てに確認してみました。

 

 

 

 

 

結論、

 

ふるさと納税していることで保育園の選考に不利になることはありません。

 

 

ふるさと納税しているからって保育園の選考に影響することはないです。

 

 

 

全く関係ないそうです。

 

 

北区の方に丁寧に教えてもらったのですが、たとえば北区ではそもそも同じポイントの世帯があったときに9つの選考基準があるそうです。

その9つ目に税金額をみるそうです。

特別区民税、いわゆる住民税にあたるもののうち、所得割額がポイントになるそうです。

ここに関わってくるのが医療費控除などの所得控除のみで、ふるさと納税に関しては寄付控除になるので関係ないそうです。

 

ほかの区役所に電話してみましたが、詳しく話していただいた区役所は全て同じことを話していまいした。

また板橋区の方が話してくれたのは、区で公表している保育園入園の選考基準になる点数（板橋区なら調査指数）の手引き以外にこっそり加点したり減点したりすることはない、ということでした。

まずはしっかりと住んでいる自治体が公表している情報を読んで確認しましょう。

 

また保育園入園について税金が絡んでくるのは保育園料算定の部分だそうですが、ここでもふるさと納税する前の額で算定するため、やはり関係ないということでした。

 

 

 

 

中野区議会議員の方もこのようなツイートをされていました。

ふるさと納税したら保育園入園の点数下がるという情報が出回っているようですが、中野区は、寄附金控除（ふるさと納税含む）などの税額控除前の所得割額で保育料算定します。保育料階層低位の世帯ほど有利ですが、ふるさと納税の有無でポイントが変わることはありません。https://t.co/aO4Vib3UXg

— 中野区議会議員　小宮山たかし (@komiyamatakashi) February 2, 2019

 

 

これでふるさと納税しているから、保育園選考基準下がるかもしれないという不安は払拭できました。

しかし、住んでお世話になっている自治体がふるさと納税によって、減収で苦しんでいるのは事実です。

 

 

 

ふるさと納税では寄付先を納税者が選択することで、税金の使われ方を考えるきっかけになることを意義としてあげています。

もちろん、ふるさと納税は節税にもなりますし、わたしもやることには賛成です。

しかし、ふるさと納税したら住んでいる自治体のサービスが受けられなくなるということがまことしやかに流れてしまうというのも、わからなくはない心理です。

 

今回のことをきっかけに、今一度、納税した先の税金の使われ方について、しっかり考えてみたいですね。

 

 

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